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ある日、俺のアパートの部屋の隅に立て掛けていた初代サーフボードの横に、一抱えもある花束が飾られていた。
籐の籠に活けられたそれは、水もないのに花が咲いている。
造花か?と思い触れると、確かに生きている植物の感触が、手に伝わってきた。
「ドライフラワー作ったの。」
そう言って彼女がわさわさと花束を揺らし、形を整える。
薄紫色の小さな花が、あちらこちらで咲いている。
どの花も楽しげで、キャッキャとはしゃいで、笑っているように見える。
冬のバンクで、スケートボードに乗って滑る、彼女の笑顔と花が重なる。
花を愛でる気持ちなど、これまで持ったことが無かったが、その花を、とても可愛いと思った。
彼女は花束の形を整え終わると、そっと籐の籠へ戻しながら
「これブルーファンタジーっていうお花。」
そう言ってにっこり笑った。
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