カローラ

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もう一本待とうか。 いや上がり時か。 今朝がたのうねりのピークは、もう小一時間も前に去ってしまい、沖からやってくる今のうねりは、だらだらとした隆起を作るだけで、思うような波が入ってこない。 ウエットスーツから僅かに出た足首の痛みが、ぶり返してくる。 「もう立ってやるか」 足首の警告ランプが黄から赤点滅、今は常時赤点灯で訴えてくる。 上がるか。 サーフボードを半回転させ浜に向かう。 小高くなった浜に止めてきた、白のカローラがだんだんはっきり見えてくる。 目を凝らすと、日の出とともに冬の海水と風に晒され続けた眼球から涙が滲み、またぼやけてしまった。
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