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「それで、俺はいつ、どこに行けばいい?」
俺があまり悩まずに返事をしたのが、ヤシンには意外だったようで、ヤシンは少し驚いた声で話を続けた。
「…一緒に来てくれるんですね。えーと、それじゃあ、少し余裕を持って2週間後に駅で。時間は切符を取ってからまた連絡しますね」
「ヤシン、俺の切符も取ってくれる?俺も行くって事でいいんだよな?」
これまでずっと黙って耐えていたシキミが、慌てて会話に入って来て、捲し立てた。
ヤシンは、聞こえるか聞こえないか位の声で、チッと1度舌打ちをした。
「仕方ないから、お前の分も用意してやる。おい、待ち合わせの駅に到着するまでに、カバネさんに手を出したりするなよ?」
「あー、最近はバネさんの、超絶エロいひとりエッチ見てるから満たされてまーす」
シキミは俺の方を見て、ニヤニヤと笑った。
「なっ、なっ、お、おまっ、あれを見てっ」
俺の頭の中に、今まで夜な夜なしてきた、あんなことやそんなことが、鮮明に再現された。
俺は口をパクパクさせながら、顔を真っ赤に染めた。
「カバネさん、今日から僕と再会するまでの2週間、ひとりエッチ禁止です」
「え?え?そ、そんなっ…」
「今まで1ヶ月以上離れていても、ひとりエッチなんてしなくて平気だったのですから、出来ますよね?ちゃんと出来たら、ご褒美に、再会した時に気を失う程気持ちよくしてあげますね♪」
気を失う程の気持ち良さ?!
それって逆になんか怖い!!何されるんだ?俺に何するつもりなんだ?でも、もし、言う事聞かずにしたら、それはそれで何されるんだ?!
どっちにしても俺は、ヤシンにいっぱいいっぱい恥ずかしくて、エロいことされる。今まで以上に!
「カバネさぁーん?返事は?」
「あ、ああ。わ、分かった」
俺がどこか嬉しいような、恐ろしいような、なんとも言えない、目を潤ませた顔で返事をすると、何故かヤシンもシキミも、吹き出していた。
その時ヤシンとシキミはこう思っていた。
なんかエロな妄想しちゃって、悩んじゃって、かーわいい!!!
そんなことを知らない俺は、一人で困惑していた。
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