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「見る角度じゃなく、見方が変われば見え方も変わるのか……」
「もっと言うなら、見る人が変われば見え方は変わる。要するに、世界は人の数だけ見え方があるってこと」
「で、そんなことを伝えたいだけで、ぼくをここに呼んだわけじゃないんだよね?」
「勿論」
鼻息荒く頷いた彼女は、両手に持った画用紙をぼくへ突き出した。
「ここに描かれてある絵を見てどう思う?」
真剣な眼差しを受け、「いいんじゃない?」「上手いと思う」なんていう言葉を軽々しく言うべきではないと察した。
受け取った画用紙は乾いているものもあれば、まだ、僅かに湿っているものもあった。
いくら水彩画とはいえ、これだけの量を短時間で描くには、相当な集中力と情熱がなければ無理だ。
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