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 彼女はどこも悪そうには見えない。  察しの悪いぼくに痺れを切らした彼女は頬を膨らませた。 「だーかーら。絵のリハビリ! やめるのをやめさせたんだから手伝ってくれるよね?」  なんだか理不尽な要求な気がしたけれど、詰め寄って来る彼女の圧に負けたが、ほんの少し、ワクワクしているのは彼女には秘密だ。  ただし、ぼくはまだ学校もあるし、塾もある。  それに友人や家族との予定だってある。  空いた時間だけでよければという条件付きで彼女のリハビリとやらに付き合うことを約束し、お互いに連絡先を交換した。  彼女との初対面の話はここまで。  翌日から数日間。  ぼくはあんなに濃い日を過ごす事になろうとは、この時はまだ知る由もなかった。  
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