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夢の中で、普段は押し込めている感情が溢れ、噴き出して、勢いよく流れ出した。 いつもは、手を化物のように伸ばしても、伸ばしても、指先にすら触れることの出来ない最愛の花が、すぐ目の前で咲いていた。 まるで誘惑しているような、甘い香り。 しかし、決して触れさせてはくれない。 そう 欲望は満たされる事はない。たとえ夢の中であっても……。 自分の求める花は、甘い香りを残し、再び深い闇の中へと吸い込まれた。 決して手に入らない、その花を求める自分が、健気にも、惨めにも思えた…。 何処も見えていない瞳から、欲望の塊が溢れ、頬を伝うそれを、冷え切った氷のような指でそれを掬い、何故か恐怖を感じた。 鏡に写ったそんな自分の姿は、悔しいほどに妖艶で。 そんな自分の姿に、失望した。
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