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日記というものは、感情と欲望の塊である。 最愛に思える者がいる人の日記は、特にそれがはっきりと分かる。 自分の書く日記は、手に入れたい願望も綴られてはいるが、それよりも 手に入れて欲しい つまり、愛されたいという願望が、色濃く表れている。 今もまた、愛されたい!愛されたい!と、手が動いている。 書き進めて、いつしかそれに苛立ちを覚え、欲望と願望の記録であるその日記を、怪しげな炎に変えていた。 これで何回目だろう……。 そして時間は、夢から醒めるよりも早く、過ぎ去ってゆく。 自分の身体の、精神の濃度が濃くなって行った。そしてそれは、気持ち悪いほどに感じ取れた。
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