隙間

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冷蔵庫から500mlのビールを取り出し半分空けた。 「どこに行っちまったんだあいつは」 胸ポケットからスマホを取り出し、リダイアルするが、何度かけても、かかりませんと同じアナウンスだけが繰り返される。スマホを耳にあてながら部屋を見廻す。押し入れのそばに乱雑に積まれた雑誌、そこに目がいった。──つながらないわけだ。 押し入れの整理でもしていたのか、季節外れの扇風機、収納ボックス、雑誌のバックナンバーなどが押し入れの側に無造作に置かれていた。積まれた雑誌の上に見覚えのあるスマートフォン。竜二のだ。 拾い上げ電源ボタンを押すが無反応、バッテリー切れ。充電器を探すのも億劫なので、玲一は自分のバッグから携帯バッテリーを取り出し繋いだ。1分程待って電源を入れる。パスコード入力画面、まあ当然だな。『1123』竜二の誕生日であっさり解除した。 何か情報がないかとメモアプリを起動させ一番新しい日付のメモを読む。 『隙間』噂の実行。米、水、鶏の血、髪の毛。3日後、動画撮影。 解りにくいメモ。まあ本人が分かればいいものだから仕方がない。動画撮影の部分に注目した。このスマホで撮ったのか?カメラアプリを起動させると3日前の日付で撮影された動画があった。プライバシー? 知ったことかと玲一は迷わず再生させた。
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