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奇妙な出会い
「誰か、誰か助けて!」
「げっへっへ、諦めなお嬢ちゃん」
「ぐっへっへ、誰も来やしねえよ」
森の奥に、軽やかな鈴のように響き渡る少女の声と、聞いているだけでお里が知れる下劣な男達のだみ声がこだまする。
頭巾を目深に被って黒服に身を包んだ少女は木を背にして、こちらを取り囲む二人の男達を睨みつける。しかし身体が震えていてはあまり威嚇の効果はなく、かえって相手を喜ばせているようだった。
「べっぴんさんが一人旅なんて悪い子だぞう、ふへっふへっ」
「そうだぞ、おじちゃん達と社会勉強しようや、ふひっふひっ」
逃げたとき、街道から山道に入り込んでしまい、さらに体力が尽きたのが運の尽きか。
いやいや、まだまだ信じる心でなんとかなる場面のはず。自分の日頃の行いに自信を持たねば。
そう心の中で己を前向きに鼓舞してみるものの、祈って劇的に劣勢が変わるわけではない。
少女はちらっと遠くに散らばってしまった荷物に目をやり、悔しそうにきゅっと顔をゆがめる。
「くうっ、こんなお手本みたいな三下台詞を吐く男達、頑張ればのせそうな気がしてくるのだけど、二対一だとちょっと厳しい気がするわ……」
「なんだとぉ!?」
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