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「そうちゃん?」
何度話しかけても返事もせず、早足でどんどん歩く。私はその後ろをひたすら小走りでついて行った。
向かった先はそうちゃんのマンション。
そうちゃんは玄関でパンプスを脱ぐ時間すら待てない様子で私を部屋の中へ引っ張り、そのままベッドに押し倒した。
「そうちゃん!」
私の声を無視して強引にキス。
「ねえ、ちょっと待ってよ!」
それでもそうちゃんは完全無視のまま私の服を捲り上げ、強い力で弄り始めた。
私はこんな気持ちでしたくない。
「やめて!こんなのイヤだよ!」
その言葉で我に返ったのか
「ごめん…」
そうちゃんは手を止めた。
「私の方こそごめんね」
彼がこんな風にするなんてよっぽどのこと。
ここまでさせたのは私のせい。
しばらく無言が続いた。
先に口を開いたのはそうちゃん。
「乱暴にしてごめんね…大丈夫?痛いところとかない?」
「うん、大丈夫。私が悪いから…
あの、さっきのことだけど…」
とにかく誤解を解きたい。事の顛末を話そうとすると
「だいたいわかるよ。
アヤちゃんからLINEもらったとき、ちょうど渋谷と竹田と飲み始めたところでさ。そしたら渋谷も『オレにもLINE入ってる』って気づいたんだ。
それでヤバいだろって話になって、すぐ迎えに行ったんだよ。
前から田中さんがアヤちゃんにちょっかい出してるのはわかってたけど、オレはアヤちゃんを信じてるから大丈夫だと思ってたし、田中さんなんて相手にしてなかったんだ。
でもまさか田中さんがあそこまでするとは思わなくて、見た瞬間 “何すんだよ!” ってすげームカついて」
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