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「だけどさ、アヤちゃんも脇が甘いよ。
スノボの時もそうだし仕事をしてる時もそう。田中さんとニコニコ話して全然危機感ないよね。
誰にでも感じ良くできるのはアヤちゃんのいいところだと思うけど、愛想が良すぎるというかさ、そういう態度が男を勘違いさせるんだよ!
オレだって付き合う前、もしかしてオレの事好きなんじゃないかって勘違いしそうになったくらいだよ。
それにさ、こうなる前にオレと付き合ってるって田中さんにはっきり言えばよかったんじゃないの?
花見の時だって田中さんに口説かれてるのに嫌がりもしないで話してたし、社食でもオレが見てるのわかっててよくもあんな風に話してられたよな!」
そうちゃんはキツい口調でまくし立てる。
やっぱりお花見も社員食堂も見てたんだ…
でも私だって困ってた。まるで私がそそのかしたみたいなその言い方……酷い。
何?私が悪いの?
そうちゃんの言い分は気の強い私に火をつけ、黙っていられなくなった。
「じゃあ何?私のせいだって言いたいの?
っていうかさ、元々はそうちゃんと田中さんのライバル関係が原因じゃないの?田中さんだってどうせそうちゃんにいじわるしたくて私にちょっかい出しただけでしょ?私が愛想良くしたからとか関係なくない?
私だっていい迷惑だよ!」
「なんだよそれ!意味わかんねー!!」
「だいたい付き合ってるなんて会社の人に簡単に言えると思う?
私、職場に恋愛の話は持ち込みたくないの!面白半分にウワサされたくないの!そっとしておいてほしいの!
田中さんにだって言えないからスノボだって行くのをやめたし!
仕事中だって仕事の接点があるから仕方なく話しただけで仕事の話しかしてないし!
お花見だってニコニコしながら話してないし!
社食だって食べ終わる前に切り上げたし!!
今日は確かに私が悪いのかもしれないけど、最初からふたりっきりってわかってたら行かなかったし!!!」
私も感情的になり、抑えが効かなくなった。
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