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「いや オレが悪いんだよ。
田中さんなんか相手にしてないって言ったけど、本当はすっげームカついてた。
でもまさかあそこまでするとは思ってなくて、昨日はアヤちゃんに八つ当たりしちゃったんだけど…
そしたら今度はアヤちゃんにオレと田中さんの問題でしょって他人事のように言われて、ちょっと待てよって思っちゃって。
でもアヤちゃんだってイヤな思いしてたんだもんな。
田中さんにはっきり言ったんでしょ?それなのにオレは知りもしないでアヤちゃんのこと責めてばっかりで……本当にごめん」
そう言ってまた私に頭を下げる。
そうちゃん、今までずっと我慢してたんだよね。
「ううん、私が悪いの。
私が逆の立場だったらやっぱりすごくイヤだし、最初にはっきり断らなかった私がいけなかったんだよ。
それなのに自分のことばっかりで、そうちゃんの気持ち、全然わかってなかった。
私の方が悪いのに素直に自分から謝ることもできなくて、結局そうちゃんに先に謝らせちゃうし……本当にごめんね」
ずっとくだらない意地を張っていたのが恥ずかしくなる。
そうちゃんは下を向いたままの私の顔を覗き込んで
「じゃあこれで仲直りね」
優しい眼差しでニコっと笑った。
「うん!」
ありがとう、そうちゃん。
今までずっと子供っぽいところがあると思っていたけど、実は私よりずっと大人なんだと感じた。
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