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「あーあ、初めてケンカしちゃったなー」
「しかもかなり派手にね」
「でもさー、ケンカするのは仲良い証拠って言うじゃん?思ってることを言い合えるって大事なことだよ」
「そうだよね!」
きっとこれからいろんなことでケンカするんだろうな。
「しかしアヤちゃんって意外と意地っ張りだよね。次の日のお昼まで電話もLINEも無視だもんな〜。
まさか半日以上スルーされるとは思わなかったよ」
「違うの!昨日はたまたま早く寝ちゃっただけで…」
ここまできてまだ言い訳をする私。
「わかったわかった。そういうことにしておくよ。
でも今朝も係長にだけ笑顔で『おはようございまーす』じゃん?そこまでくるともうおかしくて…」
本当におかしそうにケラケラと笑うそうちゃん。
そんなにあからさまな態度を取ったつもりはないんだけどな…恥ずかしくなって口を尖らせ、拗ねたフリをすると
「でも子どもみたいでかわいかったよ」
頭をよしよしされ、私を完全に子ども扱い。
なんかいつもと立ち位置が逆?
でもたまにはいいよね、こういうの。
「さて、ウマいものでも食べに行こうか!こんな時間だけど」
「やったー!あっ、でも今から食べたら太るじゃん」
時計を見ると随分と遅い時間。美味しいものは食べたいけどちょっと迷う。するとそうちゃんは
「大丈夫だよ。後で痩せるくらい…ね?」
いたずらっぽく笑って私を見た。
「明日会社休みだよ。帰る気?」
キャ〜!そういうことね。
「帰らないっ」
そうちゃんの耳元に顔を寄せ、甘えた声で囁いた。
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