誕生日のおもてなし

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誕生日のおもてなし

大ゲンカから少し経ち、今度はそうちゃんの誕生日が近づいてきた。 あれだけステキな誕生日にしてくれたんだもん。今度は私が頑張って喜ばせたい! でも、誕生日当日も翌日も平日で仕事。 ふたりで休む訳にもいかないし、かといって仕事の後は時間が限られているし… どうしようかなー スポーツ観戦 サッカー フットサル テニス ゲーム マンガ …… そうちゃんの好きなことはたくさんあるけれど、一緒にできるものはあんまりない。 ここは無難に食事かな。 ネットで調べたりマイさんに聞いたりして迷いに迷って決めたお店は、人気店なのとGW間近の影響もあるのか予約でいっぱいだった。 困ったなぁ… お昼休みにご飯を食べながら、もう一度マイさんに相談する。 「他に良いお店ないですかねー…」 「ここは田舎だからねぇ。もうお店は諦めてアヤちゃんが作ってあげたら?」 「私、普通のものしか作れないし、家でご飯とかそんな手抜きじゃ…」 「別に普通だっていいじゃん。桜井くんなら何でも喜んでくれるんじゃない?」 確かにそうちゃんは優しいから何をしても喜んでくれると思う。 そういう手作り感たっぷりのお祝いって今までほとんどしたことないんだけど大丈夫かな… せめていつもよりはごちそうを、と思っても、当日帰宅してからじゃ時間もないしどうしよう。 そういえばさっき課長が今週末に休日出勤させる人を決めかねていた。いつもなら指名されないように息を潜めているけど、今回は立候補してそうちゃんの誕生日に代休を取ろう! 席に戻ると逆に「佐藤さん、ちょっといい?」と課長に呼ばれる。 「申し訳ないんだけど今週末出勤できる?他に頼める奴がいなくて…」 課長は申し訳なさそうに言うけれど、私にとっては良いタイミング! 「大丈夫ですよ」 しれっと答えたけど、心の中でニンマリした。
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