白ク溶ケル

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白ク溶ケル

   木々も色を失い始め、季節が移り変わっていく。  肌にあたる風も冷たく感じられる様になってきた。    だんだんと寂しくなっていく景色。  それに引きずられる様に気持ちも寂しくなっていく。     心に入り込む隙間さえない程、  ぎゅうぎゅうと切なさが詰まっていく。    自分の中に存在する感情の処理の仕方が解らない。    何処にも吐き出す事ができずに持ち続けているせいで、  胸の真ん中がやけに重く感じられる。    重りを軽くしようと上を向く。    澄んだ空を眺めながら「はぁー」っと息を吐く。  それは白く変化し、淋しさの塊となって辺りに溶けていった。  
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