§11

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「お前に、そんな乱暴な真似をしたくない」 「でも」  反論しようとすると、片瀬はふいに、人の悪い笑みを浮かべた。 「なんだ、物足りなかったか?」 「ち、ちがっ……」 「心配するな。後で寝室に行ったらちゃんとゴム付けてたっぷり抱いてやるから」 「だっ……から、そういう意味じゃ」  否定しながらも、つい、想像してしまって顔が赤くなる。情事とジャグジーの泡ですっかり火照った頬に片瀬が唇を寄せてきて、雫はさらに体温が上がる気がした。
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