【特別編】最愛の彼女と俺★

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大広間に響く、俺の大声。うわ、やっちゃった!と思った時には遅かった。一瞬、シンと時が止まって。彼女はと言うと、赤面して硬直していた。 そして、消え入るような小さな声で呟く。 「…よ、喜んで」 次の瞬間、ワッ!と周りが叫び出す。どこからか同期やら先輩やらが飛んできて、俺に抱きついてきた。まるで、サッカーのワールドカップで決勝点を決めたみたいに。 朝比奈の所にも、佐倉を含め、仲の良い女性社員が群がって来ていた。仲居さん達も総出で拍手してくれている。 「何で今?何で今なの?」 佐野が突っ込んで来たので、「昇進したらプロポーズしようと思ってたから、思わず」って返したら、その辺りに居た同僚達に大笑いされた。 「キスでもする?」 お酒も入っているので、誰かが野次を飛ばす。するとそこから大学生ノリみたいにキスコールが湧き起こって。突き飛ばされるみたいにして、彼女が俺の前にやって来た。明らかに困った顔をしている。 「ね、ホントにしたりしないよね…?」 そんな事を本気で訊いてくるから、吹き出して笑ってしまった。なので、彼女にしか聞こえないトーンで返す。 「…俺とキスしてるの見られるの、そんなに嫌?」 「そ、そうじゃないけど…!」 「どうせ結婚式で見られるんだから。一緒だろ?」 えっ、と戸惑う彼女の腰を引き寄せて。 「愛してる、」 全社員の注目が集まる中、その困惑した唇にキスをした。 【つづく】
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