部長と私★

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「ちょっ、待っ…え?結婚ってどういう…、」 「部下と恋愛関係になるっていうのは、それくらいの覚悟が要ることだと思うから、」 だ、だとしても。昨日のワンナイトに責任を感じているとしても、私に人生をかけなくてもいいのに。忘れて欲しいなら、時間をかけて忘れるのに…! 「ちょっ、部長、昨日の事なら、そこまで責任を感じなくても…、」 「いや、そういう訳じゃ無い」 「こ、今回のは完全に私が誘ったので、そもそも部長の責任では…」 「みのり、」 突然、下の名前を呼ばれて、肩が跳ねた。何故か思わず、ベットの上に正座でシャキッと座り直してしまう。するとクシャっとしたあの笑顔で笑われた。 「今回の事は…まあ確かに、背中を押したのは事実だけど。君に惹かれてると気付いた時から、いつ伝えようか考えてた」 「まっ、マジですか…、」 頭を抱えて目を泳がせると、また笑われた。かと思うといきなり立ち上がって、ベッドの上、私の目の前に座る。端正な顔が、至近距離にやって来た。 「君と俺、結構上手くいくと思うけどな。こんなオジさんじゃ不満?」 「なっ、」 不満な訳がない。だって、好きで好きで仕方なくて、あんな迫り方をしたんだから。きっと彼は私が拒否できないのを分かってて、こんな訊き方をしている。 「…私で良かったら、ぜひ、」 躊躇いがちに呟くと、布団ごと強く抱き締められた。苦しくて、息がつまりそうになるくらい。 「…良かった、嬉しい」 耳や頬に唇が触れる。 「ぶ、部長って、そんなキャラでしたっけ…?」 「…我慢してた分が、爆発してるのかな、」 そんな冗談を言いながらも、その後のキスは甘かった。
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