部長と私★

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その日はマストの仕事が早々に終わっていたので、社内コンペの企画に取り掛かっていた。ここで是非、魔王をギャフンと言わせたい。そして魔王の発言に振り回される日々に終わりを告げたい。 集中してパソコンに向かっていると、頭の上に何かが降って来た。 「痛ッ、」 特に痛くもないけど、条件反射でそうリアクションしてしまった。見上げると、そこに居たのは端正な顔立ちのイケメン魔王。頭に乗っていたのは書類の束だった。 「そろそろ帰りなさい、」 辺りを見渡すと、もう私しか残って居なかった。それもそのはず。定時を1時間も回っている。 今まではサービス残業し放題だったのに、働き方改革やら何やらで、定時に無理やり帰らされるようになった。早く帰りたい人には良い改革だけど、仕事をもっとやりたい私からすれば、迷惑な話だ。 「すみません、すぐ帰ります、」 慌てて、データをUSBに移す。 「…持ち帰ってまでやるのか?そんな負担になるほどの仕事を振った覚えはないけど、」 「社内コンペの企画書です、次こそは私の企画で通しますから」 鞄にUSBを突っ込み、コートに手を掛けた。
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