同期と俺★

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振替休日が明けた、火曜日。新しい案件を貰ったので、デスクで資料の確認をしていると、向かいに座っている先輩たちの話が聞こえてきた。 「絶対付き合ってるよね、あの2人!」 「良いなあ、私、相楽くん結構タイプなのに…」 また仕事もせずに下らねえこと言ってんな、と思って聞いていた。 あの小僧が彼女の唇を奪った時。本当に殴らないと気が済まないくらい腹が立っていた。だけど人間とは不思議なもので、心に余裕が出来ると怒りは簡単に収まった。あれは事故。野良犬に噛まれたようなモノだ。 すると突然、話が振られた。 「ねえ、結城?アンタ、朝比奈さんと同期だよね?」 「何か聞いてないの?付き合ってるとか付き合ってないとか!」 このお姉様達は、相変わらず五月蝿い。朝比奈の彼氏は、俺だっつの。この前の金曜日からめちゃくちゃラブラブだから!土曜だって俺ン家までバレンタインチョコ持って来てくれたし、そのまま今朝まで泊まってたし、めちゃくちゃエッチしたし! 「…付き合ってないですよ、別に」 資料に目を落としたまま、無愛想に返事する。 すると彼女達は安堵したようだった。 「そうなんだ、良かった…!」 「じゃあ研修の担当だから仲良いだけなんだね、」 別に仲良くも無いけどな、と内心 噛み付く。 「だけど、そうだよね、」 ーーー朝比奈さんって、別にめちゃくちゃ美人ってわけでも無いし。 その台詞を聞いて、流石にイラついた。お前より100倍美人だし性格良いし、アッチは凄いし、可愛いわ!って。 ーーーバン! 両手で、デスクを叩く。と、先輩達はビクリと反応した。目を見開いて、俺を見る。 「な、何…?」 「朝比奈のこと、悪く言う暇があったら仕事して下さい。アンタ達が何もしねーから、全部俺に回って来てんだよ、」 すると、鼻で笑われる。 「そっか、分かった!結城、朝比奈さんのこと好きなんだ?だからそんなムキになってんでしょ!」
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