同期と私★

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同期と私★

何故、こんなことになったのか。 バスルームから聞こえるシャワーの音を聴きながら、私はベッドの上で頭を抱えていた。 遡る事、3時間ほど前。 私は、仲の良い同期である佐倉と結城と3人で飲みに来ていた。場所は、いつもの大衆居酒屋。お酒にあんまり強くない佐倉は、先にダウン寸前。なのでタクシーに彼女を押し込んで、強制送還した。 そして結城と2人でバーで飲み直すことになって。2人で飲むのは初めてだったので、お互い知らないことだらけで会話に花が咲いて、ひょんなことから恋愛の話になった。 「俺はもう別れようと思ってる、」 「へえ、何で?」 「1ヶ月くらい会ってない。向こうはしつこく連絡して来てんだけど、正直 飽きてるんだよな」 「…贅沢な悩みだね、」 「朝比奈は?」 聞かれて、記憶を遡る。大学4年生の時、年上の彼と別れた。遊び人で、浮気されまくって、付き合ったり別れたりを繰り返して。結局、最後まで上手くいかなかった。 「私は…もうかれこれ3年以上居ないよ。大学が最後だから、」 「えっ、何で?彼氏なんかすぐ出来るだろ?」 「それがねえ、そうでもないんだよ、」 別に、取り立てて彼氏が欲しい訳では無い、って言うのもあるけど。 「枯れに、枯れております」 呟くと、結城は気まずそうな顔をした。
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