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第二章:瑪瑙の神鳥
「姫様、新しい首飾りが届きました」
若い、しかし、公主よりは幾分年長の女官が現れた。
「お目を通されてお着けになってはいかがでしょう」
茶を注いだ年配の女官も微笑んで年若い主君に勧める。
「見せてちょうだい」
湯気立つ器を手にした公主はどこか虚ろな眼差しと投げやりな声で応じた。
*****
「これは……」
半ば透き通った白玉を連ねた先に滑らかに輝いている、鮮やかな朱色の瑪瑙を彫り込んだ……。
「朱雀」
掌に乗る程の大きさだが、広げた翅といい、翻った尾といい、鋭い嘴といい、正に天空を翔る神鳥であった。
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