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「父さん……」
「お前は黙っていろ」
言い掛けた娘を父親は振り向いて厳しく制すると続ける。
「当代一の名工と言われ、長らく后妃様や公主様の宝飾品を手掛けて参りましたが、ここ数年は衰えを感じておりました」
娘と似通った円らな瞳をどこか虚ろに漂わせながら白髪の男は語った。
「そして、とうとうこの首飾り制作の半ばで病に倒れました」
娘は恐れ入った風に大きな目を伏せている。
「娘は私の技を見て覚え、いつの間にか追い越しておりました」
父親の目に光るものが灯った。
「女子の身ではありますが、数ある弟子の中でも我が後継と認められるのは、この娘だけでございます」
啜り上げる音がして粗末な衣を纏った娘のかぼそい肩が震える。
「そうでしたか」
公主の白い手が胸の朱い神鳥を固く握り締めた。
「以降、そなたの娘を私の宝飾品の職人に任じます」
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