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私の名前は宇佐木 海(うさき うみ)。
普通の小学五年生だ。
放課後、私は友達の山岸 絢香(やまぎし あやか)と伊藤 結(いとう ゆい)と共に、グラウンドへと繰り出していた。
まだ所々に融け残った雪の見える三月の風は、少し肌寒い。
しかしようやく冬が終わり外で遊べるようになったのだ、多少の寒さは我慢だ。
薄いジャンパーに身を包み、三人でグラウンドを駆ける。
「ちょっと早く生まれたからって偉そうにしてんじゃねぇよバカがー!」
するといきなり、そんな怒鳴り声がすぐ近くから聞こえてきた。
顔を向けると、グラウンドの中心に数人の姿が見える。
「あ……」
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