1

2/16
119人が本棚に入れています
本棚に追加
/1346ページ
 私の名前は宇佐木 海(うさき うみ)。  普通の小学五年生だ。  放課後、私は友達の山岸 絢香(やまぎし あやか)と伊藤 結(いとう ゆい)と共に、グラウンドへと繰り出していた。  まだ所々に融け残った雪の見える三月の風は、少し肌寒い。  しかしようやく冬が終わり外で遊べるようになったのだ、多少の寒さは我慢だ。  薄いジャンパーに身を包み、三人でグラウンドを駆ける。 「ちょっと早く生まれたからって偉そうにしてんじゃねぇよバカがー!」  するといきなり、そんな怒鳴り声がすぐ近くから聞こえてきた。  顔を向けると、グラウンドの中心に数人の姿が見える。 「あ……」
/1346ページ

最初のコメントを投稿しよう!