3

20/20
119人が本棚に入れています
本棚に追加
/1346ページ
「あー、ごめん。信用してなかったわけじゃないんだけど。とにかく嬉しかったの、今日会えて」  私がそう言うと、少女は今度は照れくさそうな表情になった。  今日の少女は、なんとなく、いつもよりも素直だった気がする。 「それじゃあ、またね。春休みの宿題ちゃんとやれよ」 「わかってっし」  そのやり取りを最後に、私と少女は別れた。  家までの道のりを自転車で駆けながら、私は思う。  今日の出来事が、少女の心に何らかの変化をもたらして。  そして新学期、あいつにも友達ができるといいな、と。
/1346ページ

最初のコメントを投稿しよう!