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「あー、ごめん。信用してなかったわけじゃないんだけど。とにかく嬉しかったの、今日会えて」
私がそう言うと、少女は今度は照れくさそうな表情になった。
今日の少女は、なんとなく、いつもよりも素直だった気がする。
「それじゃあ、またね。春休みの宿題ちゃんとやれよ」
「わかってっし」
そのやり取りを最後に、私と少女は別れた。
家までの道のりを自転車で駆けながら、私は思う。
今日の出来事が、少女の心に何らかの変化をもたらして。
そして新学期、あいつにも友達ができるといいな、と。
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