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もし彼女が出来たとしたら毎日毎日電話して、あらゆるSNSサインもフルチェックしてあげるのに。
……というか、気になる子にはしてあげたのに、結果は振るわず。
誰一人として、オレに告白する女は現れなかった。
「このままじゃいけない。何か努力をしなきゃ!」
オレは高校最後のクリスマスを素晴らしいものにしようとし、渋谷まで繰り出す事にした。
受験生なので来月にセンター試験を控えてはいるが、それが何だと言う。
勉学よりも優先すべき事は、世界にゴロゴロ転がってるのだ。
渋谷駅前に着いた。
既に陽は落ちかけているが、街の賑わいは凄まじいものだった。
眠りに向かうどころか、むしろ今から盛り上がろうとする気配である。
それは自分にとっても好都合。
早速、待ち合わせ中らしき女子高生を見つけ、声をかけることにした。
「あのぉ、すみません」
「はい。何でしょう?」
「これから僕とセックスしませんか?」
逃げられた。
大人しい顔して足がチーター並とか、詐欺も良いところだ。
騙されたような気分にめげず、次の標的に声をかけた。
「あの、僕とセックスしてくれません?」
また逃げられた。
ちょっと態度が固すぎたかもしれないと思い、親しみやすさを込めることにした。
「ハァイ! これからオレっちとセックスしてみない?」
すげぇ逃げられた。
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