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剣士ギムレット
たまに前世の記憶を夢に見る。
そこは剣と魔法の世界で、オレはギルドで一番の戦士。剣術も魔法もトップクラスで、王宮付きの剣士にさえ一目を置かれる存在だ。
オレはそこで身分違いの恋をしており、男爵の一人娘であるメアリーと惹かれ合っていた。逃避行を提案されるも、彼女には許婚が居て、オレにはドラゴンを探すという目的があった。
メアリーは許婚と結ばれ、オレは終わりの見えない竜探しの旅に出て、この物語は終わりを告げる。
これを他人に話した所で、所詮夢だと揶揄されるに決まっている。オレだって、本当にそれが前世かは半信半疑だ。ただ、それを裏付ける要素がオレにはある。
夢の中のオレ、剣士ギムレットが一番得意だった魔法がある。それを現在のオレも使用出来る。使えるようになったタイミングが、この夢を見始めた時なのだから、そう思ってしまっても仕方ないだろう。
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