02 一夜明けて正月 モノクロ世界

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 白い物体に黒い力を注ぎ込む。輪郭が縁取られていく。それは白猫の耳、白猫の体、白猫の御御足、そして白い尻尾。それは丸まった白い猫の輪郭。  だがそこで黒猫は苦しそう。 「おい大丈夫か?」とタツヤは声を掛ける。 「あぁ大丈夫。やはり白の力の奔流にさらされたその源泉の場所じゃから少々骨が折れるわい」  だがより一層力を込める。すると目鼻立ちが浮かび上がる。それは目をつぶった猫の顔。  そして黒猫の右耳が白くなっていく。 「よしこんなもんじゃい」と少々息が乱れる黒猫。 「おいちょっとまてどう見ても猫じゃん!」とユージ。 「そんなの当たり前だろ」 「なんで猫が魔王なんだよ!?」
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