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03 白の魔王、お年玉をねだる
「はぁ……もしかしてお前んとこ猫しかいないのか?」
「ちゃんと普通のもいるぞ」
「普通ってなんだよ?」
「人間に魔族、その他諸々ファンタジー種族」
「ファンタジー種族ってなんだよ?……」ユージはため息。
「RPGとかやったことないのか?」
「いや言いたいことは分かるけど他に説明の仕方があるだろ!」
「なんじゃ、一番分かりやすい説明の仕方をしたんじゃが、お気に召さなかったようで」と黒猫は心外だなという表情で肩をすくめる。
ユージはむっとしたが感情を抑えて言う。「あぁじゃああれか、猫が強い世界なのか?」
「いんや、猫は向こうでも猫だ」
「あぁ? じゃあなんで猫が魔王になるんだよ。ああ分かったぞ、魔王の生まれ変わりだな、そうだろ? そうに違いない」
「何故わしが魔王になれたかだって? それは才能にあふれ日々研鑽に勤しんだ結果だとしかいいようがない」
「信じられん。おまえは魔王じゃない」
黒猫はやれやれという風にその返答に無視した。
白猫が目を覚ます。黒猫の姿を見つける眼差し。そしてこう述べる。
「あっ! おまえはいつもお年玉をくれるおじちゃん」その声は可愛らしい女の子の声。
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