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「た、助けて兄さん!」僧侶は白い光に包まれる。全身真っ白けになり記憶も消えた。
「真っ白に燃え尽きちまったぜ……」ガクリとうなだれる。
「じょ、冗談を言ってる場合か!?」勇者は近付く。
だがそれを止める羽根付き帽子がちらりと映る。貴族風の衣装に身を包む剣士。細剣使い。
「おい、よしたまえ。君もあれに巻き込まれてしまうぞ」剣士が勇者の腕をぐいっと引っ張る。目の前が白い光で消えていく。
逃げる。だが白は追いかけてくる。全てを飲み込みながら。
「おい、どうするんだ? あれをほっといたらやばいだろ!」黒衣の魔法使いが叫ぶ。
「やはりアレを使うしかないようです」と博士は眼鏡をくいっと掛け直して述べる。
「アレってなんだよ?」
「歴代の魔王を異次元の彼方へと吹き飛ばしたあの伝説の機械」
「それは修理しても動かなかったんだろう?」
「いえあの謎のピラミッドですよ」と博士は示す。
魔王城の外に出て、鬱蒼とした森。その向こうにはあったのだ、道中に。謎の建造物。ピラミッド。そここそがこの機械を作動させる装置。あれこそが異次元転移装置。これこそがその最後のパーツなのだ。と博士は語る。
「そんなご都合展開な」
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