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「なに言ってるんだ? もう一人いただろ」とタツヤはいう。
「おい怖いこと言うな! 俺たち二人しか居なかっただろ!」と友人のユージは叫ぶ。
「わしじゃよ」
「は、博士?」
「なんでやねん」
ユージは正体不明のなにかから正体不明の攻撃もといツッコミを食らった。
「それではこの暗闇を解除しよう」パチンと音がする。指パッチン。
眼前に広がる闇がパッと消えてそこは無限に広がる白の世界。
「なんだここは? 精神と時の部屋!?」
「なに言ってるんだ?」そう述べるのは空中浮遊する恰幅のいい長毛種の黒猫。
「ね、猫が浮いている!?」
「まず最初にツッコむのがそれなのか?」と黒猫。
「いや猫が喋ってる!!」
「うるさいやつじゃのぉ」
「おいなんだこいつ? タツヤ!」
だがユージ。タツヤを見て驚愕する。
「なんだそれ!? ゲロってるのか!?」
タツヤが白いものを口から吐き出している。そしてそれをもさもさしたかと思うと飲み込んだ。
「おい、なにしてるんだ!? 食うなよ!」
「はぁ? なに言ってるんだ? これは雑煮の餅だ」
そうそれは雑煮の餅だ。手元には雑煮が入ったお椀。右手に箸もある。だがしかしそれは白黒であった。
よく見てみるとタツヤもユージも白黒だ。
「さっき雑煮食ってたろ」
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