白の魔王、お年玉をねだる

０２ 一夜明けて正月 モノクロ世界

　そんなこんなで一夜明けて正月。
　初詣に向かう。

　しかし世界は一変した。全てが白と黒の世界だからだ。ついでに灰色のグラデーションもあるが色はない。白黒灰色以外に色はない。まるでモノクロの漫画世界。
　テレビはいつもの年末年始番組を急遽取りやめての特別報道番組がどのチャンネルでも放送されている。
　一夜明けたいまでも日本のみならず世界中で大パニックの様子。

「おい、クロちゃん。どうして白黒なんだよ。他の色はどうした!?」とユージが騒ぐ。
「そんなこと言われてものぉ。わしの力は黒だけだからなぁ」
「こんなんじゃぷよぷよできないじゃねえか!?」
「ぷよぷよならスキン変えればいけるじゃろ」
「こんなんじゃテトリスできないじゃねえか!?」
「テトリスは色なくてもできるじゃろ」
「うるさぁい！」
「うるさいのはお前じゃ」
「おい騒ぐなよ、ユージ」とタツヤがぼやく。

　初詣。人がいる。にぎやか。たとえこんな異変が起こってもみんな来る。いや話によると去年よりかは参拝客が少ないらしい。
　書き入れ時なのにトホホと神主はいう。
　やっぱりこんな異変じゃ、初参りどころではないってかんじなのか。