02 一夜明けて正月 モノクロ世界

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 ユージとタツヤが現れる。そして黒猫ナビオ。  そこは神社のなか。  神主述べる。 「元旦の朝のこと、丁度お賽銭箱のうえになにかがあった。白い丸いものだ。それがこれです」 「なんだこれは鏡餅か?」とユージ。  触るととても撫で心地のいい柔らかい物体。 「なんだこれ? 気持ちいいぞ」とユージは撫でまくる。 「うむ、ビビビと来た。これは」とナビオはいう。「すべてを白に染めしもの」 「なんだそれ?」 「白の魔王」 「なんで魔王が鏡餅のぬいぐるみみたいになってるんだよ? 笑わせるな」 「魔王は白い力に呑まれて、そのみずからの存在を失ったのじゃ。それがこの名残りよ。魔力の残滓はまさしくあいつ」 「知り合いか?」 「こいつは毎年正月にお年玉をあげる仲よ」 「なんだそりゃ? 孫か?」 「ユージのくせに鋭いのぉ。こいつはわしの孫の孫のそのまた孫の……まあつまり遠い子孫じゃな」 「お前の子孫は鏡餅かよ」 「存在が消えかかっているがまだ間に合う。どれ」と黒猫はその白い物体に手をかざす。猫足かざす。 「おいちょっと待てよ! 魔王を復活させるなよ!」 「案ずるな。わしのほうが強い」 「なにを根拠に言ってんだよ!? おまえ猫だろ!」 「若いもんにはまだまだ負けん」 「そのセリフが不安なんだよ!」     
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