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チャイムの音が鳴り響く。
始業10分前のチャイムだ。
この時間帯に校門前を呑気に歩いている生徒は、始業ギリギリに着席になるだろう。
慌ただしい校門前の様子を、校舎3階から見下ろす影が1つ。
その影がいる教室は、放送部部室。
始業前に席に着いていなくていい生徒がいる。
それが、我が校の放送部。
その影は女生徒だった。
女生徒は窓際を離れ、放送部部室の隣の部屋にある機材室へと入る。
そしてマイクの前に立ち、スイッチをonに切り替える1拍前、深く深呼吸する。
カチッ
『みなさん、おはようございます!始業前のチャイムがなりました!しょーもない話してないでさっさと大人しく席に着きましょう!!』
彼女の声が校内に鳴り響く。
瞬間にどの教室からも歓声や笑い声が聞こえてくる。
「おい!今日部長だ!」
「やば!テンション上がった!!」
「大人しくって何?!」
「もー朝からおもろい!」
女生徒はマイクのスイッチをoffに切り替える。
そしてにこやかな表情で、彼女は機材室を後にした。
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