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限界だ。幼馴染だなんて、こんな生ぬるい関係なんてもう終わりにしよう。」
「陸?」
「雫。お前がどうしても俺を受け入れられないっていうなら、俺はもうお前とは一切関わらない。」
「え…、」
「けど、お前の中に少しでも俺を男として見ている気持ちがあるなら…、俺の手を取れ。雫。」
「陸…。そんな…、そんなの…、」
「言っておくけど、今まで通りとかはなしだからな。俺の彼女になるかただの赤の他人になるかどっちかだ。」
「陸。私は…、」
「選べ。」
陸の真剣な表情から彼の言葉が本気だと感じた。
「嫌…。だって、陸とそんな関係になったら…、いつかは終わってしまう。そんなの、嫌だ…。」
「何でそう思うんだよ。」
「だって、今までもそうだったもの!私が付き合った男の人は皆そう!いつかは別れがくる。陸とはそんな関係にはなりたくない。」
「勝手に決めるな!」
陸に大声で叫ばれ、雫は思わず口を閉ざした。
「俺は待った。ずっと待った。お前の傷が癒えるまで待とうと思った。何を迷ってるかと思えばそんな事で悩んでたのか。俺がどれだけ雫を好きだったんだと思っているんだ!苦しいのはお前だけじゃないんだぞ!」
「陸…。私…、」
そうだ。私は自分の事ばかりで彼の気持ちを汲んでやれなかった。
「大声出して悪かった。ちょっと頭冷やしてくる。」
そう言って、陸はどこかに行った。雫は引き止めようとしたができなか
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