第9話 Sour Diesel

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 これが原種のフェミナイズド(女性化)の種ならば、種子の染色体は(XX)の染色体を持ち、全て♀の種となる。まさに神秘の超自然体でレインボーな覚醒!    だがそれも数える程しかなく、これだけ途方も無い量が全て♀なだけでも神の成せる技。アウトドアにおいて十分過ぎるほどに S M( シンセミア)としてのハイクオリティーを誇っていた。  世界各地で入手したオリジナルで選りすぐりの種を、ユタはネフィリムの親たちから譲り受けていて、それもここに生えていると言っていた。  それは当然ここに生えている G J (ガンジャ)が単純な F 1(雑種一代)とは違い、優秀なハイブリッドで有る事を秘める。また、世界に知られていないローカルなインディカやサティバのオリジナルも潜み、放射能とケミカルが撒き散らされる立入禁止区域の土壌を浄化し、現実に有毒物質を除去している。  ここへ来てからの体調の変化には二人も気付いていた。特に巴は△印のカプセルに頼らなくても、アレルギー反応が抑えられている。卍がガイガーカウンターで汚染を調べても、放射性物質は全く検知されない。  あとは宇宙の曼荼羅から降り注がれる真理と、過去に何度か降り注いだであろう放射能の雨が、どうこの G J( ガンジャ)たちに変化を及ぼしたか。  それはいずれ解るとして、この途方も無い量の G J (ガンジャ)を金に換算すれば、自ずと途轍(とてつ)もない金額になることは容易に理解でき、卍と巴はアドレナリンが噴出す。  だが二人はバイクで来ている限り持って帰れる量は限られていて、どう頑張ってもこの巨大な B D(バッズ )を実らせた G J (ガンジャ)を持って帰るには、一人5・6本が限度だった。
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