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日本屈指の名門高等学園である『私立麦山学園』の大体育館では入学式が行われていた。この東京ドームに匹敵するとも言われている巨大体育館の屋根の上で、2人の若い男女が"壮絶な出会い"をしていた。
「動かないで」
「っ……?」
茶髪高身の少年、ムギトは背後から銃を突きつけられていた。首だけ振り向くと、気の強そうな赤髪ツインテールの美少女がムギトを鋭く睨んでいた。
「あの、状況が読めないんですけど?なんで俺、体育館の上にいるの? なんで銃つきつけられてるの?」
「あんた、頭おかしいんじゃないの。さっき自分でよじ登ってきてたじゃない。登り終えた後に『ひゃっほーい!これで天井から覗き放題』って言ってたの覚えてるわよ?」
「ひ、人違いじゃ、な、ないっすかー?」
な、何故だ。在学中一度たりともここに人がいたことはないはずなのに……!俺だけの聖地の筈なのにっ!
「しらばっくれるのはやめなさい。あなた……」
ま、まずいっ! 天井から新入生の美少女達を覗こうとしたのがバレたのか……? せっかく一番高いスコープまで持ってきたんだぞ。
それになんだよ、この女の子。なんで拳銃もってんの。オモチャだと思うけど、俺なんかよりよっぽど頭おかしいだろ……。
「お、俺は……」
さぁ、どう言い逃れする? 下手すると退学処分だぞ。斯くなる上は頭がおかしい人のふりをして……。
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