3. 秘密の扉

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古い記憶を思い返したように、くすりと笑う。 「ふふ! 思い出すわ。 ここ、私が個人的な休憩部屋にしちゃったの。 お店の立ち上げの頃よ。 最初はスタッフが極端に少なくてね。 どうしても納品が間に合わないこと、しょっちゅうだった。 それで皆を家に返したあと、徹夜作業が続いたわ。 ここに寝泊まりする日が続いたから やがてベッドまで持ち込んで…」 ティーカップにお湯を注ぎながら、懐かしそうな顔をする。 「そう、私の第2の家ね。 でも汚い部屋だから、みんなに見せるのは恥ずかしかった。 それでいつもは鍵をかけているの」 店長は温かい湯気の出るカップを差し出しました。 「はい、セントジョーンズワートティ。飲めるかしら?」 慎重に起き上がり、受け取ったハーブティをひとくち、頂いた。 甘みと少しの苦味がいい感じ。 草とか木の香りが鼻を抜ける。 ちょうどいい温度で、口を湿らし、喉に潤いを与えてくれました。 「ハーブティって、不安とか興奮を抑えてくれるのよね。。 だから、ちょっと怒ってたり、慌ててたりするお客様がいたら この部屋にお通しして、ふるまうの。 少し時間はかかるけれど、話を聞いてあげたり もらったりするうちに、判ってくれる方は多いわ」     
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