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「誓いますか?」
神父様の声が響く。
ああ、神様。
私は自由という名の翼が欲しいのです。
もう誰にも縛られることなく、自由に我が道を歩いていきたいのです。
そう、許されることなら、私は──────……。
「アニエス、なにをしてるの? “イエス”よ、“イエス”!」
「今こそ恩を返すべきでしょ、幼かったあなたに母親が必要だっていうから!」
「アニエス、あなただけが頼りよ。まさか、私たちを路頭に迷わせる気?」
最前列に座わる、お母さまとお姉さまたちの声が背中に鋭く刺さるかのようだった。
自由──────、それは叶わぬ夢。
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