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「浅葱先生はそれでよくても、私は殴られたら自分の手で殴り返す主義なのよ」
「さあ、行くわよ、フラーミィ。……それで? 一来といつかはどうするの? 怖いならやめてもいいのよ」
「もちろん一緒に行くに決まってるだろ」
「アイラちゃん! 見損なわないでよ。ライブに誘ったのは私だよ!」
一来といつかが同時に言う。主人はうつむいて、浮かんできた笑みを隠した。それから頭をあげ、肩越しに振り返った。
「音響と照明、頼むわよ、先生。それくらいはヘタレの影でも出来るでしょ?」
と言い捨てると、ライブ会場の講堂へ向かった。舞台用に長さとボリュームをつけ毛で増しているツインテールが、金色の炎のように揺れてなびいた。
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