桐子の昔話

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 「かぁごめ、かごめ……。白い精命(マナ)と黒い精命(マナ)をいっぱいに、表と裏を見合わせりゃ、籠の中の鳥と影とが入れ替わる……」  主人が歌うように言うと、桐子は微笑んだ。  「いい子だね。覚えていたのかい? アイラと紅がかごめかごめをして遊んだと言っていたから、替え歌にしてまだ小さいアイラに覚えさせたんだよ。二枚の鏡を合わせないようにね。私とアイラと紅の三人でよく歌ったの、覚えてないかい?」  「そうだった? 覚えてない……」
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