![85fb1100-fb7f-4d7f-8bf7-51850792883d](https://img.estar.jp/public/user_upload/85fb1100-fb7f-4d7f-8bf7-51850792883d.jpg?width=800&format=jpg)
『紅霧と一来が、ある場所で会っていたそうです』
「デート?」
いつかは太いストローから口を離して言った。吸引力がなくなって、茶色い玉が半透明の筒の中を滑り落ちた。
(まだ飲んだことがない飲み物ですね……どんな味なのでしょう?)
『ね、いつか。タピオカミルクティー、って美味しいの?』
素早く幼いアイラの姿になると、上目遣いで見上げ、甘えるように首を傾げて聞く。
「ちびアイラ! いつの間に? なになに? タピオカ、飲みたいのー?」
いつかは予想通りプラスチックの容器を手渡してくれた。早速ストローに口をつける。
甘いミルクティーと共にツルンとした食感の丸い玉が口の中に飛び込んできた。噛むとプニプニとした弾力がある。
(なかなか美味しいものですね……)
タピオカドリンクに夢中になり、無防備になってしまった私の後頭部を、いつかがすかさず撫でまわしてきたが、タピオカミルクティーの代金としては仕方がないだろう。
最初のコメントを投稿しよう!