『血の色は、何色?』

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 「まっ、まあまあまあ。ケンカしている場合じゃないでしょ? 今は一来くんの事を考えないと」  いつかが手のひらを下に向けて何度も上下させた。  「そうだったわ」  『そのとおりだね! いつか』  浮き上がっていた紙ナプキンがひらりとベンチに舞い降りた。  主人が猫のようなつり目をさらに吊り上げて、「ちょっと、マネしないでよ」と睨んできたが、ツン、とそっぽを向く。  あわてていつかが咳払いをひとつすると、「それでマミちゃんは他にはなんて言ってたの?」と、割って入ってきた。  『一来は自分で、鋭いもので指を切っていたって』  「一来くん、やっぱり紅霧に騙されているんだよ、きっと!」
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