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クラスメイトは他人ですか?
「早く行って、ブラック・フラーミィ」
デジャヴ。翌日の放課後にもかかわらず、主人のセリフは昨日とまったく同じだ。違うのは少し肌寒いせいで、主人が制服に学校のジャージを羽織っているところだけだろう。大き目のサイズのせいで、ジャージが肩からすぐにズレ落ちて気に入らないが、影でいる間は主人の着る服を私もまとわなければならない。たとえ私の趣味に合わなくとも。
『私はフラーミィではなく……』
「あなたの真名を教えてくれたら、ちゃんと呼ぶわよ」
『私の真名はコキュ』
危ない危ない。うっかりコキュートス・ダークナイトという真名を漏らしそうになってしまった。真名を取られたら、ただでさえ精命やら誓いやらで縛られているのに、まったく逆らえなくなってしまう。真名だけは絶対に守り抜かなければ。
「あら。引っかからなかったわね。」
主人はおかしそうに笑って言った。
『たまにはご自分で列に並んではいかがですか?』
冷たく返す。今日こそは雑用はお断りだ。
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