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「優菜、いつもそれだけで足りるの?」
「女の子には、いろいろあるの!慎也と一緒に甘いもの食べるためにもこういうところで頑張らないといけないの!」
「倒れたりしないようにしなよ。」
「うん、ありがとう。て、いう慎也もいつもパンじゃん!」
目の前でパンを大きな口で頬張る姿が少しリスみたいに見える。
「おいしいんだから仕方ないじゃん。」
「ねぇ…明日…。」
クリスマスイブ。
彼から誘われるのを待ってたけど誘われないままだった。
「クリスマスイブ…どっかいかない?」
私の問いかけに、何も言わずに前髪をクシャと弄る。彼のくせ。
「……ダメかな?」
「ごめん、その日は先約があって。」
「え?」
予想もしてない答え。
勝手に一緒に過ごせるものだって思ってた。
「な、なん…で…。」
言葉が止まらなかった。
「だって、初めてのクリスマスだよ…普通は一緒に過ごすでしょ…。」
「ごめん。」
彼は、謝ることしかしない。
「……先、帰るね。」
一緒に居たら、酷いこと言っちゃいそうだだったからその場から逃げることしかできなかった。
本当は、わかってる誘ってもないのに勝手に一緒に過ごすものだと思って…勝手に期待してた事も…。
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