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それでも、悲して…。
勝手に涙が流れてくる。
「ぅっ…ぁあ…。」
誰もいないと思っていた教室の中には、まだ友達が残っていた。
「ちょ、優菜どうした!!」
「うっ…慎也が……うわぁあぁああ…。」
彼の名前を口にした瞬間涙が止まらなくなる。
「ほら、涙拭いて。」
「うっ……ぁ…。」
「よし、お茶しにいこう!」
友達に手を引かれながら学校を後にしてから近くのカフェに寄った。
「で、どうしたの?」
「…クリスマス、一緒にすごそうって言ったら…断られた。」
友達は、相槌をしながら私の言葉を聞いてくれる。
「わかってるよ、約束してたわけじゃないし、私が勝手に一緒に過ごせるんだって思ってただけだし。でも、付き合って初めてのクリスマスだよ。期待するじゃん。」
「なんで、だめなの?」
「分かんないよ、ちゃんと教えてくれないし。私、嫌われちゃったのかな…。」
友達は、ケーキをフォークに刺しながら私の問いかけに答えた。
「それは、ない!見てるこっちが恥ずかしくなるぐらいラブラブじゃん。あ、あれじゃない、クリスマスイブの夜に優菜の部屋に石を投げてきて『間に合った』的なサプライズしたいんじゃない?」
「何、その漫画的な展開。」
「そんなこと言いながら、一応空けとくんでしょ予定。」
友達の言葉にコクリと頷く。
「よし、じゃあクリスマスプレゼント買いに行こう!」
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