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「…やば、何ここ…。」
『グランホテル』
テレビでディナーとかランチの紹介を見たことがあったけど、こんなに大きなホテルなんて思ってもなかった。
「こんな格好で大丈夫かな…。」
不安を持ちながらホテルの中に入るとロビーには、今まで見たことないぐらい大きなクリスマスツリーが飾ってあった。
「優菜!」
ツリーに見とれていると後ろから彼の声が聞こえた。
「しん……や……?」
振り返ってびっくりした。一緒違う人かと思った。
少し長い前髪は、少しだけ後ろに流してストライプ柄のスーツを着てる彼。
いつもよりも大人っぽい彼。
かっこよすぎて直視できない。
「……本当にごめん、怒ってるよね。」
近づいてきた彼の手が頬に触れて、顔をゆっくりと持ち上げられる。
「こっち、見てよ。」
少し低い声に体が熱くなる。
「優菜…ちゃんと見て…。」
「…おこ、てない…よ。ちゃんと、会えたもん。」
恥ずかしくて、顔を下げたいのにそれを許してくれない慎也の手。
「…でも、ちゃんと何があるのか教えて欲しかった。ふあ、んだったんだよ…嫌われたのかと、思ったんだから!」
私の話を彼は、頷きながら聞いてくれた。
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