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結局、自分もあいつらと変わらない。なにも出来ていない。想い、伝えたい!
この夜、改めて自分と向き合ってみた。
タクヤに対する気持ちは本物か?
本物だ。
どうやって伝える?
迷うな!したい様にすれば良い!伝えることが重要!
いつ?
明日!
でも、私にタクヤを好きになる資格はあるのか?
人を好きになるのに資格など要らない!
私はすぐに手紙を書いた。
そして次の日。
「あんた今度は誰の手紙預かってんの?見せなよ」
「これは、3年のヒロミさんから」
ヒロミさんは言わば学園マドンナ。
男女問わず、ヒロミさんを敵に回せば学生生活はお終いとまで言われる存在。
「そっ、あんたも大変な役受けたもんね。それに免じて今日は遊ぶのやめてあげる」
私はやってしまった。
ヒロミさんを楯に自分の手紙をタクヤの下駄箱に入れた。罪悪感が付きまとう!いやだ!この手紙は捨てないと!
「よっ、カツミ!おはよ!何してんの?」
真っ白になった。
タクヤ……汗が止まらない。
とてもじゃない、目も合わせられない。
私は走って逃げた。そう、逃げた。手紙を持って。
醜い!情け無い!悔しい!恥ずかしい!
なんで堂々と出来ない!?なんで嘘をついた!?
なんで自分が書いた手紙と言えなかった!?
なんで!?
言ったら破り捨てられるから?
なんで!?
後ろめたいから?
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