趣味とバイトと白雪くん

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 僕は、クラスに一人は居そうなボッチだ。人と話すのが苦手で、もう出来上がっているグループに割って入る事なんて出来ない。  でも、出来れば赤羽様の話をしているあの子達の話に混じりたいと思った事もある。  けれど僕みたいなのがアイドル好きだと知られたら、多分ドン引きどころじゃない。  赤羽様の前に胸を張って会える自信は無いから、ファンだと名乗り出る事なんて出来ない。  ― ― ― ―――― 「急がなきゃ、写真集……!」  放課後。学校が終わるとすぐに家に帰る為、足早に歩いていた。  そしてあるお店の前を通り掛かると、後ろから誰かに声を掛けられた。 「ちょっとそこの貴方!」 「へ……っ!?」  後ろを振り返ったら今まで見た事がない、何とも形容し難い人が立っていた。  見た目は、白のフリルエプロンに黒のメイド服。髪の毛は金髪の巻き髪ツインテール。胸は大きく見えるが、本物ではない。肩幅が広くて厳つく、筋肉がムキムキ。  化粧をしているが、女の人には見えなかった。    初めて見るオカマさんに驚き、何故話し掛けられたのかわからなくて僕はオロオロしていた。逃げたい気持ちでいっぱいだった。 「なっ、あっ、え、えっと……!」  「まぁ落ち着きなさい。私、そこのお店の店長なの。貴方、一緒に働いてみない? 人手不足で困ってるの!」 「あ、えっと……ば、バイトとかはちょっと……!」  普通に人と話せない僕がバイトなんて無理だ。しかも、この人が働くお店ってどんな店だ。
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