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自分の部屋に戻り、通販で頼んでいた写真集をドキドキしながら確認した。ページを捲りながら、少しでも赤羽様のファンとして貢献する為にバイトを頑張ろうと誓った。
それから僕は高校にもバイトの許可を貰い、女装メイド喫茶『Tiara』のメイド『白雪』になった。
メイクの仕方や接客の事も教わり、失敗を繰り返しながらも一週間頑張った。
― ― ― ――――
次の日の放課後。帰る為に廊下を歩いていると、芸能科と普通科を結ぶ渡り廊下前に人だかりが出来ていた。
「ほら、あそこに汰斗くん居るよ! あっ、こっち見たー!」
赤羽様っ!?
僕は女の子達が黄色い声を上げる中、何とかちらっと見ようとしたがファンが多過ぎて前が見えない。人混みに入る勇気もなく、しばらくすると赤羽様は居なくなったみたいだ。
「かっこよかったね!」
「人多過ぎ……全然見えなかった……」
すごく喜んでいる子達も居れば、見れなかったのか残念そうな子も居る。やっぱり同じ高校に入学しても、憧れの人を見る事は遠くからでも難しいみたいだ。男だと尚更かもしれない。
自分に自信が無くて会う自信もないから、遠くから応援してる。同じ空間の空気を吸っているだけでも良いと思っていた。だけど、少しでも本人を見られないかと。たまに渡り廊下の方を見てしまう自分が居る。
積極的な女の子は羨ましいと、時々思ってしまう。
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